過去にサークルのチーフブログに書いた内容を、加筆修正したものです。
今回は、ターゲットに響く広告について、お話したいと思います。
私たちが毎日どこかしらで目にする広告たち。
その中で、この広告は私のためのものだ!って思うことって、ありますか?
広告には、必ず「ターゲット」が設定されています。
それは、男女だったり、年代だったり、趣味嗜好だったりでセグメント(分割)されています。
ターゲットを設定した後は、そのターゲットに「どうやって注目してもらうか」「どうやって興味を持ってもらうか」、つまり、「どうやって響かせるか」を考えますよね。
たとえば、60代以上の方がターゲットなのに、ネット広告をばんばん打っても見てもらえる可能性は低いし、サラリーマンがターゲットなのに、スイーツ系のポスターを作っても目に止めてもらえません。
上記の例は少し大げさ過ぎますが、よりターゲットに見てもらうには、ターゲットが日頃どんなことをしているのか、どんなことに興味を持っているのかという分析が必要不可欠なんです。
そこで一つ、海外の事例を紹介します。
この看板、私達が見ると、なんのこっちゃ、さっぱりですよね。
日本語にすると、「自然対数eの中で最初に出てくる連続する10桁の素数.com」。
訳したところでさっぱりですね。
でも、これ、ある人たちからすると、たまらないものなんです。
この画像の看板は、高速道路を走る車から見えるように設置されたものですが、他にもマサチューセッツ工科大学の学生が利用する駅に同じことが書かれた横断幕が掲げられていました。
彼らがこれを学校に行くとき、もしくは帰るときに目にしたなら、すぐにでも机に向かって答えを求めたくなるような、「難問」なんだそうです。
これが、何かというと、実は今のように有名になる前のGoogle社の採用広告なんです。
Google社は、無名だけれど優秀な人材が欲しかったので、Crispin Porter + Bogusky社にそんな課題を解決する広告を依頼しました。
その結果、優秀な理系学生の興味を惹きつけ、学生の方から「こんなセンスのある会社なら、受けてみたい!」と思わせることに成功したのです。
(ちなみに、「答え.com」に行くと別の問題が出現。数問解き続けると、最後にGoogle社の採用サイトに行き着きます。)
この広告の存在を知ったのは、株式会社博報堂ケトル代表であり、クリエイティブディレクターの嶋浩一郎さんという方の講演会に行ったときのことです。
このインタビュー記事の中でも触れられているので、是非読んでください。めちゃくちゃためになります!
そして、実はこの嶋さん、Google社の採用広告と同じ手法である広告を作っているんです。
それが、これ。
どうでしょう、「同じ手法」の意味が、わかりましたか?
私はこの広告を実際に見たとき、嶋さん、これってあれでしょう?と一人ニヤリとしてしまいました。
皆さんも、広告を打つ相手が、どんなこと・ものが好きなのかよく分析して、「心に響く」(嶋さんは「心のツボを押す」と表現している)広告を作りましょうね!
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参考リンク